top of page

第198回 BPIA研究会『目からウロコ〜!』 (2025/8/26)

  • miwabpia
  • 8月4日
  • 読了時間: 6分

更新日:8月31日

ree

海の火山学:鬼界海底カルデラの研究を例として


講師:

海洋研究開発機構 研究員  浜田 盛久 氏

ree

◾️ 開催レポート ◾️

参加者のコメント


⚫︎ 海の中の火山について日頃考えたこともほとんど無いため、とても興味深く講演を聞かせていただきました。日常のネット性格は自分の興味で固められてしまうため、自身が興味関心をもっと広く意識的に向けないと、物事がだんだん見えなくなる危険を改めて感じました。


⚫︎ 「丹念に観察・分析し、行動で解明する」という姿勢です。浜田氏の取り組みと規模は異なりますが、現場で精度の高いデータを得る姿勢は、生成AI活用の際にも思い起こされます。それは「便利なツールやAIに頼るだけでなく、現場で自分の目や手で確認する」ことの大切さを再認識しました。

また、2つのパターンで、説2に重みがあるとしても引き続き調査を続ける姿勢から、「方向性に重みを置くが、決めつけずデータを取り続ける」粘り強さを自分の業務にも取り入れたいと感じました。


⚫︎ 浜田氏の、規格外のスケールに挑む研究者としての姿勢に圧倒されました。9万年前、100万km³...などあまりにも大きすぎる規模に慄いた一方で、どんなスケールの研究でも根本は「一つひとつを丹念に観察し、行動で解明する」という姿勢であることを知りました。


⚫︎ 海底の火山岩の成分を詳細に調べることによって、過去に起こった噴火の状況やマグマの情報が得られると知り驚きました。

我々の想像のつかないようなアプローチで遥か昔のことでも知ることが出来るように一見想像もつかないようなことでも色々な角度からアプローチすることで本質を知ることが出来るのだと思いました。


⚫︎ 「なぜ研究するのか」という問いに対する「(火山大国日本の)当事者ながら無知であってはいけない」という答えにも感銘を受け、自分が何も知らず、知ろうとしてこなかったことに気づきました。今回の講話で自然・文化・人類のつながりを意識し、「足元の今の世界」を改めて愛おしく感じたことも大きな気づきです。


⚫︎ 基礎研究は本当に大事なことだと再確認しました。よく短期での応用研究や民間活用への直結がし辛いという観点から予算減や研究者自体の確保の困難さが課題として挙げられますが、限りある予算をどう割くかという観点だけではなく、研究自体のコンテンツとしての価値をもっと活用して、研究活動に還元できる仕組みがもっと構築されたり盛り上がれば、アカデミックな活動の底上げにつながるのになと改めて考えました。


⚫︎ 当社は「脳」を追いかけていたはずですが、いつの間にかビジネスの成功を目指している気がしています。

改めて基礎研究、ノウハウの体系化が必要だと思っています。

またコツコツと積み上げる部分と異なるアプローチ(岩石以外に地震速度から)も真理に近づくものと、多角的データの収集も検討したいと思いました。


⚫︎ 困難な状況やどうしようもないと思われることでも、コツコツと調査・分析をすることで徐々に本質をつかむことが出来るというところは、科学者の方々の研究にとどまらずビジネスの世界でも共通する部分があるのかなと思います。


⚫︎ 海底火山の研究というなかなか触れることのない世界の話を聞けて、その研究の意義を理解できました。自然科学というのは、すぐに役立つことはないかもしれないが、噴火の予兆把握ができることを期待しています。

最近行っていない水族館や科学館にも行きたくなりました。


⚫︎ 異常気象、災害の続く近年、良く見渡せば未知の事だらけの世界にあって、あらためて基礎研究が非常に重要であることを感じました。


⚫︎ 火山災害みたいに「いつか起こりえるもの」を認識しそれについて考えておくことは実生活やビジネスでも有効かと思いました。


⚫︎ 基本を忠実に丁寧に、というアプローチの大切さ。

理論的、実験的アプローチはかくあるべきという姿勢。


⚫︎ 浜田さんの海の火山研究に取り組む姿勢やお話しから伝わる冷静で客観的な視点は、未知のものに向かう姿勢としてとても参考になりました。


⚫︎ 海底火山を研究していて、もし「今まさにカタストロフィー的噴火が起きようとしている」場面に遭遇した場合に、科学者はどうあるべきでしょうか。ということが、ふと頭をよぎりました。


⚫︎ 日常では聞くことのない異業種の話を聴講できる事が刺激的でした。


⚫︎ 海洋上は見えないので、つい興味が持てなかったですが、資料やニュース図書館などで海洋内について、もう少し資料で触れてみたくなりました。


⚫︎ 火山大国の日本に住みながら、火山発生時にニュースを見るだけで関心が薄かった。火山は恩恵が多いということで、自分にどう影響するのか理解して日々生活していく。


⚫︎ 火山=災害と考えていたが、火山には恩恵が多いということ



◾️ 開催概要◾️

タイトル

海の火山学:鬼界海底カルデラの研究を例として

日時

2025年8月26日(火)

18:00〜 アクセス可

18:15〜20:00 研究会

講師

浜田 盛久 (はまだ もりひさ) 氏 海洋研究開発機構 研究員

申込方法

BPIA会員以外の方も参加できます。

事前のお申込みが必要です。

下記フォームまたはFacebookイベントページよりお申込みください。

開催方法

Zoom

※参加表明をいただいた方には、後日、開催情報(URL等)をお送りします


【Zoom開催にあたっての注意事項】

※ 表示名は「氏名」にしてください。

 受付時にお申込者リストと照合するため、お名前がわかる状態にしてください。

 表示名がリストと一致しない方は、ご退出いただく場合があります。

※ 参加者の方も「顔出し(カメラON)」でご参加ください。

  移動中等、顔出しができない場合は、事前にご連絡ください。

※ 質問の際以外は、ミュート(マイクOFF)にしてください。

※ 初めてZoomをお使いになる方は、事前にZoomのインストールが必要です。

備考

勧誘・セールス・就職活動等を目的とした方の参加は固くお断りします。


◾️ 講師より ◾️

日本には111の活火山が認定されている世界有数の火山国です。日本の活火山の約4分の1は海域にあります。海域火山の活動を把握するためには、調査船を用いた調査・研究が不可欠です。鹿児島県にある鬼界カルデラは、これまでに少なくとも3回の超巨大噴火を繰り返してきた火山です。


最新の超巨大噴火は7300年前の縄文時代に起こったアカホヤ噴火で、南九州の縄文人の生活や文化を壊滅させ、遠くは朝鮮半島や日本の関東地方・東北地方まで火山灰を降らせるほどの大きな影響を与えました。鬼界カルデラは、薩摩硫黄島、竹島、そして昭和硫黄島という陸上部分以外は海面下にあり、火山の全体像を直接見ることはできません。本講演では、調査船を用いた調査を行ったからこそ明らかになった海域火山・鬼界カルデラの実像の一端をご紹介いたします。


ree

浜田 盛久 (はまだ もりひさ)

海洋研究開発機構 研究員


1974年山口県下関市生まれ。1999年に東京大学理学部地学科を卒業。2006年に東京大学大学院理学系研究科地球惑星科学専攻博士課程を修了。京都大学、産業技術総合研究所、東京工業大学(現・東京科学大学)などでの研究職を経て、2013年に海洋研究開発機構に入所し、現在に至る。 専門は火山学、岩石学、固体地球化学。伊豆大島や鬼界カルデラなどの海域の火山のマグマに含まれる水、二酸化炭素、硫黄、フッ素、塩素などのガス成分に着目した研究を行っている。これまで8回の研究航海(延べ約200日)に乗船参加した。


『最新地学事典』(平凡社,2024年刊行)の編集委員として、海洋地球科学に関する用語の編集作業に携わった。



■ ナビゲーター

井ノ上 美和

■ 主催

BPIA (ビジネスプロフェッショナルインキュベーション協議会)


 
 

Business Professional Incubation Association

bottom of page