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第197回 BPIA研究会『目からウロコ〜!』 (2025/7/29)

  • miwabpia
  • 6月28日
  • 読了時間: 9分

更新日:4 日前

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世界で実践される新たな組織モデル:

中国ハイアールに学ぶ「起業家集団」としての大企業


講師:

株式会社 令三社 代表取締役 山田 裕嗣 氏

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◾️ 開催レポート ◾️

参加者のコメント


⚫︎ 「ME」や組織モデルの話を聞きながら、最初は“型”として理解しようとしていた自分に気づきました。でもそれでは、結局「既存の枠に当てはめるだけ」になってしまう。

本当に大切なのは、モデルを理解して“そうなる”ことではなく、日々の中で意図を持ち、自分と現場との距離を縮めていく中で、結果的に自分たちなりの組織の形が見えてくることだと腹落ちしました。


⚫︎「全員を起業家に」という考え方をオーナーシップといった表現にしたり当事者意識という表現にしながら、それぞれの場所に適した落とし込み方をしているところは、納得感のある内容でした。

何が手段で何が目的かというところは、やはり文面で見ているだけだと誤解が生じやすく、今回のように「これはあくまで手段」と明確にお話を聞かせていただくことで非常にわかりやすかったです。

具体的なインタビュー事例で、文化的、制度的な違いがある場合においても、どういう捉え方をしてどういうアプローチに落とし込んでいるのかは非常に参考になりました。


⚫︎ ハイアールのMEについて自分の組織には馴染まないなと思っていましたが、USや日本での状況から、手段でなく目的の実現として自組織に取り入れられるところも検討できるのではいかと腹落ちしました。


⚫︎ ハイアールも、最初からMEを目指していたわけではなく、顧客とのゼロディスタンスを徹底し、自律的な判断を積み重ねた結果として、MEという形にたどり着いたという話に深く納得しました。「まずは目の前の距離を縮めること」こそが、組織変化の第一歩であり、本質だという気づきが、今回の大きな学びです。


⚫︎ 今回のお話を聞いて、「現場にいる自分たちで考えて決定をして良い」と言う環境の大切さを感じました。

最初は「全従業員を起業家に変える」と言う目的のインセンティブが報酬面にあるのかと思っていましたが、従業員一人一人が「今この場所に自分と自分の考えが必要である」と感じて仕事をできる事こそ大事なんだと感じました。

自分の職場環境を振り返ると、組織自体が大きくなりすぎて、どこの誰(部署)が責任者なのかわからない案件があったり、「どうせ言っても無理」「発言をしたら悪く思われるんじゃないか」などといった気持ちが蔓延していて、その結果「言われたことだけやっておこう」と言う人が増えており、この起業家精神を持つ方向とは逆に進んでいるとわかりました。

それぞれが当事者意識を持つと、仮に元々アイデアを生み出す能力を持っていなかったとしても、生み出すことができるのだと感じました。

また、「一人一人が意思決定できるところまで組織サイズを小さくする」と言う考えもとても素晴らしいと思いました。単に業務内容で分割するのではなく、「一人一人が意思決定できる」と言う分け方がある事でより一層、組織自体が「個」の力を重視していると表明できると感じました。


⚫︎ 顧客とのゼロ距離を実現し、サービス改善サイクルを高速に回すという考え方。特に我が社はB2B企業であるが故に、限られた顧客の(購買部)の要望が当社の営業本部から入ってくるという偏ったニーズ把握体制となっている。これだけで、顧客の製造部門と当社の営業部門の間に2クッション入っている。顧客と自社を直結するための意思疎通ルートを作ることができれば、製品サービス改善サイクルを早く回すことが可能となろう。そのための慣習改善コストとの比較衡量が必要となろうが、自社内でもその実現可能性を検討していきたい。


⚫︎ 「企業家として振る舞う」は少し大きな目標に感じたため、まずは「自立」にフォーカスすることが自分にとって現実的であり、大切だと感じました。

講話を振り返りながら考えたのは、「自立」は本人の努力だけでは成り立たず、“思考のトリガーを与える環境づくり”があってこそ実現する、ということです。

伝え方ひとつで、相手の考える力を引き出せる。その経験はこれまでもありましたが、今回あらためてそれが言語化され、より明確に腑に落ちました。

そのうえで、「ゼロディスタンス」という言葉が、今の自分の業務にもっともフィットするキーワードだと感じています。顧客や現場、委託先メンバーとの距離を縮めるには、まず自分の意図を短くても言葉にして伝えること。そして、日々のやり取りの中で“小さな意図ある一歩”を積み重ねていくことが、判断の質や自律性を育てることにつながるのだと確信しています。


⚫︎「組織づくりには整合性が重要」という部分は、非常に共感できる部分でしたので組織と同時に評価や報酬設計についても見直す必要があることがよくわかりました。

組織や制度設計に経営者の思想が現れると認識したうえでブラッシュアップしていきたいと思います。


⚫︎ 未だ日本の産業界では、罪の文化ではなく、恥の文化であることで、イノベーション創出を鈍化させてしまっていると、私は分析しています。今回のHaierのケースから、如何にして「恥」も含めて、どこまでも多様性を許容できるか環境を作れるヒントになったようにおもえる。まだ、咀嚼しきれていない部分がありますが、、、、、


⚫︎ まさに目からウロコでした。多くの組織づくりを担当する人や組織が、「フレームワーク自体を使うこと」言葉を選ばず言うと本質を理解せず横文字使って満足するケースが社内外に散見されます。その本質的なところが重要で、手段でしかない枝葉にとらわれた結果だとおもいます(古くはハコモノ行政やプロダクトアウト的な思考の蔓延等、人間は仕組み上そういうことを自然と選びがちなようにできていると思います)。そんな中で今日一番の気づきは、MAを行ったアメリカ・日本の現地法人へのビジョンの適用方法であり、現実を鑑みて本当に重要な概念のみにフォーカスして土着させるという方法が現実取られており、そして成果を出しているという事実に驚愕し、大変感銘を受けました。


⚫︎ フィロソフィー、人単合一思想、パーパスなど、人を企業組織と結びつける方策は数々あり、それぞれにその企業を企業たらしめる思想やツールが存在し、構成要素である人間が変わろうとも企業が存続していく。その思想やツールが何かを発見することができれば、企業が集団として活動していくときに、企業のアイデンティティを繋ぎ止める手段とできるのではないか。今日いただいたお話は、一代の創業者が作り出した企業グループ内のアイデンティティ維持方策であるが、創業者自身が一貫性保持のアンカーとなっており、組織的なアンカーが作られていないハイアールに限られた話だと思う。創業者から離れ、資本関係がない、一般の(サラリーマン)企業の場合に起業家精神を継承し、再生産していくための仕組みづくりがなければ、現在の日本で成長企業を作り出し続けることが難しいと考える。


⚫︎ やはり理念が最も重要であること。組織行動の観点では予てより云われているが、組織戦略では見落とされる傾向がある。


⚫︎ 営業担当につき顧客対応は多いが、顧客と社内半々で考えており、より顧客重視で考える必要がある


⚫︎ 顧客に近い部門を中心に考える事は、マーケティングだけでなく、組織にも活かせそうです


⚫︎ ビッグデータで集まったデータを、マーケティングのためではなく、自社製品をより使いやすくするために使う


⚫︎ くだらない組織論の蔓延や、マネジメントレベルでの本質を逸脱した数々の意思決定について、日ごろから多く触れる機会がありますが、ある一つの解決策を頂けたと思います。それは即ち、頭ごなしにフレームワークを適用することよりも、そのフレームワークが成立する概念や本質的価値にのみフォーカスして、現場と歩み寄っていくというアプローチです。


⚫︎ もしかして、世界的に「次は再び日本の思想を学ぶべき」という潮流になるかもしれない


◾️ 開催概要◾️

タイトル

『世界で実践される新たな組織モデル:

 中国ハイアールに学ぶ「起業家集団」としての大企業』

日時

2025年7月29日(火)

18:00〜 アクセス可

18:15〜20:00 研究会

講師

山田 裕嗣 (やまだ ゆうじ) 氏 株式会社 令三社 代表取締役

申込方法

BPIA会員以外の方も参加できます。

事前のお申込みが必要です。

下記フォームまたはFacebookイベントページよりお申込みください。

開催方法

Zoom

※参加表明をいただいた方には、後日、開催情報(URL等)をお送りします


【Zoom開催にあたっての注意事項】

※ 表示名は「氏名」にしてください。

 受付時にお申込者リストと照合するため、お名前がわかる状態にしてください。

 表示名がリストと一致しない方は、ご退出いただく場合があります。

※ 参加者の方も「顔出し(カメラON)」でご参加ください。

  移動中等、顔出しができない場合は、事前にご連絡ください。

※ 質問の際以外は、ミュート(マイクOFF)にしてください。

※ 初めてZoomをお使いになる方は、事前にZoomのインストールが必要です。

備考

勧誘・セールス・就職活動等を目的とした方の参加は固くお断りします。


◾️ 講師より ◾️

グローバルで注目を集める中国・ハイアール。その革新的な経営モデル「RDHY(人単合一)」は、従来のピラミッド型組織を解体し、社員一人ひとりが“起業家”として動く自律分散型の仕組みを実現しています。


令三社はこれまで、国内外のさまざまな先進的組織の現場に足を運び、実践者から直接話を聞いてきました。その中でも、ハイアールの実践は極めてユニークで示唆に富むものです。

本講演では、ハイアールの事例を主に扱いながら、これからの時代に合った新たな組織づくりについてご紹介します。


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山田 裕嗣 (やまだ ゆうじ) 氏

株式会社 令三社 代表取締役


人材育成・組織開発を支援する株式会社セルムに入社。大手企業の研修企画、人材育成体系の構築などを手掛ける。

大手ITベンチャーのHRを経て、BtoB SaaSの株式会社サイカの創業に参画、後に代表取締役COOに就任。事業の立ち上げ、成長フェーズに合わせた組織設計、新規部門の立ち上げ等を幅広く担当。

2017年より独立し、EnFlow株式会社を設立。スタートアップの組織戦略立案、大手企業の次世代組織の構想、HR系の新規事業支援などを行う。

また、一般社団法人自然経営研究会の発起人/代表理事、ホワイト企業大賞の企画委員、AIベンチャーの株式会社ABEJAの人事責任者を務めるなど、多様な領域において新しい組織運営の実践・探求・啓蒙などを行う。

2021年10月に株式会社令三社を設立、代表取締役に就任。ティール組織・自己組織化などに関する国内外の有識者との議論や、新しい組織運営を目指す企業のサポートを手掛ける。

翻訳書に『すべては1人から始まる』『コーポレートレベルズ』などがある。



■ ナビゲーター

井ノ上 美和

■ 主催

BPIA (ビジネスプロフェッショナルインキュベーション協議会)


 
 

Business Professional Incubation Association

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