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第193回 BPIA研究会『目からウロコ〜!』 (2025/3/25)

  • miwabpia
  • 3月5日
  • 読了時間: 9分

更新日:5月6日

「生育格差」を乗り越える、新しい支援への挑戦


講師:

認定NPO法人Homedoor (ホームドア) 

理事長

川口 加奈 氏

【開催レポート】

参加者のコメント


● 「ホームレスを0にするのではなく、抜け出したい時に選択肢のある世界をつくりたい」「モチベーションにたよらない」「”誰かがやってくれる”を逆に考える”私がやらなかったら”...」

自分の今の行動はどうなのか、評価してみるための軸をいくつももらえました。

講演の「言葉」を一番メモにとった会でした。


● 「選択肢」を与える、「あくまで選択肢」的な考えがお仕着せでなくよかった


● 全部解決する必要はない、と割り切るところ


● これまでのセミナーでは、自分の業務に直結する具体的な改善策や応用方法を考えることが多かったのですが、今回は「知ること」の重みについて深く考えさせられる内容でした。

川口氏の「知った責任」という言葉は、セミナー参加前から私の中にあり、「知った後、自分に何ができるのか」という不安を抱えていました。しかし、「知らない」という状態は、問題への関与を拒否していることと同じではないかと考え、「まずは知ることから始める」という姿勢が重要だと気づきました。行動は知ることから始まるという思いは、川口氏が14歳のときに抱いた思いと重なるように感じました。


● 若年層のホームレスが思っていた以上に多く驚きました。どの業界においても人材不足が課題となっている中で、働きたくても働けない、チャレンジする機会すら得られない人がいるという矛盾に構造的な問題があるのだと思いました。

環境や境遇、背景や生育格差といった要因、物理的要因だけでなく、個人として抱える内面的な問題に対してもケアをするアプローチを随所に感じられて「そこまでするのか」という思いです。

表面的な問題に対して対応するだけでなく、一人ひとりに「人」として寄り添い対応することが両輪で必要だと改めて気づきました。


● 自身もホームレスの方々に対して、「頑張らなかったからホームレスになったのでは?」と思ってしまっている部分があったが、実際はそうではないということを知り、きちんと対話をせずに自分の価値観で思い込んでしまっていたことに気づかされた。


● ホームレスには無関心で、本人が悪いと思って今まで考えもしなかったが、本質を知ることで考えががらっと変わった。

「知ったからには知ったなりの責任がある」が非常に印象に残った。


● 無関心に慣れている自分がいる


● 路上生活者の問題が単なる自己責任ではなく、貧困の連鎖による構造的な問題であることを学び、無力感を覚えると同時に、自分も同じ状況に陥る可能性があるという現実に直面しました。

さらに、親として次世代を担う子どもたちが希望を持てる社会を作る重要性を痛感しました。「抜け出せる世界」「何度でもやり直せる世界」という考え方は、非常に示唆に富むものでした。


● 今回のセミナーは、直接的に業務に結びつくというよりも、社会の一員としての自分のあり方を見直すきっかけとなりました。

また、「ニーズの代弁者たれ」という言葉は、日々の業務においても、表面的な要望にとどまらず、その背景にある本質的なニーズを理解し、組織内で適切に提起することの重要性を再認識させてくれました。

個人で直接的な支援が難しい場合でも、組織的な連携を通じて貢献する可能性を探るという視点は、今後の活動において大切にしたいと感じました。


● 「生産格差」は国の政策や、教育、地方格差が生み出した結果であり、ホームレスもなまけた結果でなった訳ではない。

Hoomdoorのポリシーである「ホームレスから抜けたい人に選択肢を与える」事には感銘を受けました。

ただホームレスや生活保護受給者が不幸だと決めつけるのは、こちら側の考えで、共感出来ない部分もあります。沖縄の貧困が話題になりますが、私は年に3回~4回は沖縄の島の仲間と飲みます。ホームレスはいませんが貧困家庭やシンママ家庭で育ち、歯の無い仲間もいますが、多くは子供(子沢山が多い)や孫に囲まれ、笑顔が多いからです。

笑わなければ生きて来られなかった局面もあるでしょうが、「幸せ」はそれぞれだと思います。小野龍光さんのように持たない生き方、利他の精神を持てば足る事を知れるからです。


● 5年ぶりとは思えないくらい前回も、そして今回もとても集中して聞くことができました。

また、私も児童養護施設の子どもたちの自立支援をするNPOの理事もやっております。その中で、子供達が自立後に行方不明になったり、歌舞伎町の風俗で働く女の子が、薬漬けになりまた施設の職員に保護されたり、社会に適応できずホームレスになっているという話を聞きました。今日のお話は、本当に色々考えさせられるお話でした。

生育格差による貧困の再生産はまさに、我々のNPOでも取り組むべき課題なのではないかとも思っています。この世の中は決して、平等ではないと思っています。特に、母子家庭、児童養護施設の子どもたちなど多くの子どもたちが不平等の中成長し、そのまま大人になってもそれを引きずっています。

これも社会構造の問題であり、まさに構造的暴力の一つだと思います。構造的暴力の中では、私たちはみんな気づかないうちに加害者ということになります。

5年前も、今日も、川口さんが言われた最後の言葉「知ったからには、知った責任がある」は、まさにこういう事だと腑に落ちました。これからもお互い頑張りましょう!


●常識に反するが、理にかなった自分なりの哲学を持って事業を営むことの大切さです。

私の所感ですが、代表の川口さんが、HubChariの立ち上げ~キャズムを乗り越えたとき「既存のビジネスで、ホームレスのおっちゃんを派遣するだけでは、見えないところでまたホームレスの方が生まれてしまうから、新しいビジネスを創り出さないといけない」という哲学があったからこそ、何度も苦難を乗り越え、成功したように感じました。

ちょうど、『直感で発想 論理で検証 哲学で跳躍 (著者:伊丹 敬之)』という本の、哲学で跳躍の部分で語られている内容と合致しています。


● 現場からの声が聞けたことが貴重でした。状況把握がかなりクリアになりました


● 子供食堂を応援している自分の立ち位置を再認識できるヒントをえられた


● 川口さんのお話の中で、ご自身の活動へのモチベーションはなく、課題を知ったからこそそれに対して取り組む責任があるというお言葉に感銘を受け、自身の活動にも応用したいと考えた。


● 支援には終わりがないからこそ、サイクリックに持続可能なサポートを考える必要があるということ


● 本当に意味のある支援とは、支援を受ける側の視点で課題を抽出し、解決策を考えなければならない


● ビジネス的に考えるとHoomdoorが立ち上げた6つのチャレンジのようにビジネスはお金を得るだけでなく、人を幸せにするサイクルやポリシーが必要だと思います。

自分の会社のビジネス以外に「民泊」事業を立ち上げたので売上以外にも地域貢献を考えて行きます。


● 事業そのものに対する哲学でなくとも、目の前のお仕事の1部や仕事以外の自己研鑽の時間に、自分なりの哲学を持って臨むこと。

例えば

・たとえ社内での評価を下げるとしても、スジの悪い仕事は引き受けない

→少なくとも、スジが悪いと思った仕事を任されたら、上司に対して「なぜやるのか」を尋ねてみる

・ハウツーよりも、一見何の役に立つかわからない情報・知識・知恵を大切にする


● メイン業務以外の改善活動やスキルアップなどは、メイン業務が忙しくなると疎かになりがちです。

モチベーションに頼らない、というキーワードから仕組化や行動に移せる工夫を考えたいと思います。


【開催概要】

タイトル

「生育格差」を乗り越える、新しい支援への挑戦

日時

2025年3月25日(火)

18:00〜 アクセス可

18:15〜20:00 研究会

講師

川口 加奈 (かわぐち かな)氏

認定NPO法人Homedoor (ホームドア) 理事長

申込方法

BPIA会員以外の方も参加できます。

事前のお申込みが必要です。

下記フォームまたはFacebookイベントページよりお申込みください。

開催方法

Zoom

※参加表明をいただいた方には、後日、開催情報(URL等)をお送りします


【Zoom開催にあたっての注意事項】

※ 表示名は「氏名」にしてください。

 受付時にお申込者リストと照合するため、お名前がわかる状態にしてください。

 表示名がリストと一致しない方は、ご退出いただく場合があります。

※ 参加者の方も「顔出し(カメラON)」でご参加ください。

  移動中等、顔出しができない場合は、事前にご連絡ください。

※ 質問の際以外は、ミュート(マイクOFF)にしてください。

※ 初めてZoomをお使いになる方は、事前にZoomのインストールが必要です。

備考

勧誘・セールス・就職活動等を目的とした方の参加は固くお断りします。


【講師より】

2010年から活動を開始した認定NPO法人Homedoor(ホームドア)。

ホームレスの方への仕事の提供や個室シェルターの運営など、ひとりひとりのホームレスの方と向き合い、ニーズを拾い上げて社会実装を行う中で、毎年1,000人以上が全国から相談に訪れるようになり、新たに見えてきた課題がありました。


それが「生育格差」です。


相談に来る多くの若者が生まれ育った環境からして大変な状況にあり、大人になってもその状況から抜け出せず、成人後の公的な支援の少なさからホームレス状態に陥っているという実態。その新たな課題を解決すべく、3億円の借金を背負いながら新しい施設をオープンさせました。そんな挑戦をお話し、一緒に問題解決への道を模索できればと思います。


***


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川口 加奈 (かわぐち かな) 氏

認定NPO法人Homedoor(ホームドア) 理事長


14歳でホームレス問題に出会い、ホームレス襲撃事件の根絶をめざし、炊出しなどの活動を開始。17歳で米国ボランティア親善大使に選ばれ、19歳でHomedoorを設立し、シェアサイクルHUBchari事業等で生活困窮者ら累計6000名以上に就労支援や生活支援を提供する。

Googleインパクトチャレンジグランプリ、人間力大賞グランプリ、内閣総理大臣賞等を受賞。日経WOMAN「ウーマン・オブ・ザ・イヤー2019」に選ばれる。「セブンルール」「プロフェッショナル 仕事の流儀」出演。

株式会社リブセンス社外取締役。

大阪公立大学卒業。

1991年 大阪府高石市生まれ。


著書:



■ナビゲーター

井ノ上 美和

■主催

BPIA (ビジネスプロフェッショナルインキュベーション協議会)


Business Professional Incubation Association

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