『災害時におけるIT支援活動 最新事例
-福島、トルコ、石川での事例 ー』
講師:
サイボウズ株式会社 ソーシャルデザインラボ 災害支援チームリーダー
柴田 哲史 氏
【開催後レポート】
参加者のコメント
実際に被災地でIT(特にKINTONEの有効性)を活用して何が行われているかを知ることが出来た。報道やネットなどで知りえない貴重な情報であった。
災害時という非日常+緊急という環境にくらいついていくことで必然的にアジャイル開発となっていること。
また、それが他社を巻き込むことにもつながり、意図せずしてシェアと地位を獲得している。これこそ「リスクを機会に変えている」例だな、と目からウロコでした。
今の、ある程度形になったところのお話を聞くと「すごいな」という感想だけになってしまいますが、これまでの10年で、柴田さんご自身や周りの方が現場で体験した、いろんな「困った」「どうにかしないと」という思いの種をそのまま放っておかなかったのが大きいんだろうなと感じました。
それぞれの困りごとの、どこが一番問題なのかを明確にして、ご自身のスキルも活かしながら解決する方法を模索し続けた結果なのだと思いました。
災害地でのiT活用は究極のアジャイルだと感じました。
優先順位、統制、共有、そして成果を短時間に見える化・実現しているように思います。
優先順位をつけ、無駄を省くことで、目的がより明確になり、成果がハッキリするのだと思いました。
ドローンの講演では収集データのサービス、今回はノウハウのテンプレートサービスを学びました。
緊急性の高いとき、結果を早くださなければいけない時、完璧を求めるより本当に目的があることだけを優先して走り出す。不要なものは勇気をもって切り落とすことは大切だということ。
不謹慎な言い方ですが、災害時という、緊急かつ重要なことが山積みという極限の状態が、「今何が必要か」「どれを先にやるか」「一つ一つの作業を早く、手戻りなく、正確に行うにはどうしたらいいか」を強制的に見極める力を養うことになるのだと感じました。
時間があったり、優先順位がさほどはっきりしていない業務があると、どうしても余計なものをつけたり、より複雑な構造にしたくなったりしてしまうな、と日々の仕事を振り返って感じました。
災害時ではないけれど、できるだけ簡単に、すぐ、欲しい情報にアクセスできる、情報を保存・共有するにはどうしたらいいか、自分で極限状態になる時を想像してやるしかないと思いました。
「目的の言えない機能はいらない」
これは素晴らしいからこれに違いないと固まった考えではなく、その時に必要なものをスピーディーに取り入れていくことの方が完成度よりも大切。
解決につながる力と、何が必要で、必要ではないか、自分にはなにができるかを見極めるということを応用したい。
「何のために使うのか」目的を明確に、そして勇気をもって切る! ここです。
最初は社会貢献の一時的な活動なのかと思ったのですが、サイボウズ様のホームページの記載内容や本日のお話の中で複数年かつ全国での導入を目標設定していることから、永続的に活動が可能な事業として実施されていることが理解できました。大変素晴らしい事業だと思います。
災害におけるIT支援の現状に興味があり、聴講させていただきました。
現場でのIT活用が想像以上に進んていて、感心するばかりでした。
さらに、デジタルの強みをどれだけ生かせるか、また「なんちゃってデジタル(Excel)」からの脱却の必要性を痛感しました
想定よりも実際に現地で収集した情報をIT技術で解決に結びつける。
被災地というアナログな情報しか扱えないような状況において、いかにして文字の記録をデータとして活用できるようにしているかという、具体的な事例を基にしたお話は非常に驚きました。非常に苦労された上でのことだと思いますが、ここまで仕組み化できているとは思っておらず、「どう使うか」という目的を明確にすることが重要であると改めて感じました。
災害のような特異な出来事であるからこそ、現場経験を活かしたIT活用が有効に機能していると思います。本当にある意味アジャイル開発ですね。大臣の要請や副知事など、緊急時のトップ判断って本当に大切ですね。
被災地、災害ボランティア、サミットで共有すべき情報。「IT清書機」問題が現場にも影を落としていること。
災害対応予算に関する基礎自治体と都道府県との関係。
「一番できない人」に合わせるという文化については、四半世紀ほど前にやめてもらったことがあり、それを思い出しました。
ローコード開発ツールを取り扱って17年がたち業務パッケージ検討などを考えてきたが、災害での活用という観点で検討したことがなかった。社会貢献できるサービスを検討したい。
システムは作るよりも使いこなすための指南(ビジネス)がますます重要になってきている中で本日のご講演内容は私のビジネスの全方位で応用できると感じました。
工夫と発想の柔軟さから。既存の製品の組み合わせをもって、重点課題解決につなげた点
キントーンで被災者のニーズの拾い上げはお客さまのニーズの拾い上げと同じなので、いつでもどこでも情報を吸い上げ見える化して次ビジネスのネタ作り。お客様と一緒に情報を共有化して、同次元で進めるプロセスマーケティング的なツールとして
実際に被災現場に人が入る、というのは、蓄積すると大変な価値を産むコンテンツになリ得る。損保会社の話があったが、自動車会社、ドローンで物を運ぶベンチャーなどニーズはいくつもありそう。
【開催概要】
タイトル | 災害時におけるIT支援活動 最新事例 -福島、トルコ、石川での事例 ー |
日時 | 2024年2月27日(火) 18:00〜 アクセス可 18:15〜20:00 研究会 |
講師 | 柴田 哲史 (しばた さとし)氏 サイボウズ株式会社 ソーシャルデザインラボ 災害支援チームリーダー |
申込方法 | BPIA会員以外の方も参加できます。 事前のお申込みが必要です。 下記フォームまたはFacebookイベントページよりお申込みください。 |
開催方法 | Zoom ※参加表明をいただいた方には、後日、開催情報(URL等)をお送りします 【Zoom開催にあたっての注意事項】 ※ 表示名は「氏名」にしてください。 受付時にお申込者リストと照合するため、お名前がわかる状態にしてください。 表示名がリストと一致しない方は、ご退出いただく場合があります。 ※ 参加者の方も「顔出し(カメラON)」でご参加ください。 移動中等、顔出しができない場合は、事前にご連絡ください。 ※ 質問の際以外は、ミュート(マイクOFF)にしてください。 ※ 初めてZoomをお使いになる方は、事前にZoomのインストールが必要です。 |
備考 | 勧誘・セールス・就職活動等を目的とした方の参加は固くお断りします。 |
ショックな年明けとなった2024年。
能登半島地震から早くも1ヶ月が経過しました。
当初から石川県の災害対策本部に加わり、災害支援チームのリーダーとして、行政と自衛隊、警察、消防、医療関係者等が共有できる情報プラットフォームの構築・情報整理に尽力されている柴田さん。
実は柴田さんには、2014年にも災害時におけるIT支援活動についてお話していただいたことがあります。
・SNSによる被災状況報告を地図上にプロットして地域の被災状況を素早く把握するクライシスマッピング
・避難所からの必要物資の情報発信等をするサイト運営
・ボランティアの1日数百件を超える問い合わせ対応
・PC周辺機器メーカーとの事前取り決め
・現地・周辺住民との交渉
など、リアルな現場を知っている柴田さんだからこその経験談をたくさん聞かせていただきました。
あれから10年。
Alなどの新しい技術の活用や災害システム構築のポイント、官民連携の実態など、最新の災害時におけるIT支援活動について、お話いただきます。
【講師より】
全国の5割以上の都道府県で採用されている災害ボランティアセンターの運営支援システムを紹介します。昨年被災した福島県いわき市災害ボランティアセンターでの活用事例を中心に、この10年で実際の現場がどのように進化したのかを紹介します。
また、トルコ地震の際の支援事例や能登半島地震で県の災害対策本部でのIT支援の内容も紹介します。
柴田 哲史 (しばた さとし)氏
サイボウズ株式会社 ソーシャルデザインラボ 災害支援チームリーダー
1995年よりマイクロソフト社にてワードのユーザビリティ改善業務を担当。米国へのビジネス留学を経て、2004年にITコンサルティング会社を米国に設立。
2015年よりサイボウズ社に所属し、デザインリサーチ組織の立ち上げを経験。2020年には、サイボウズ災害支援チームを立ち上げ、ソーシャルデザインラボ(旧社長室)にて、サイボウズ災害支援プログラムの責任者として、被災地のIT支援に従事。
2023年は、石川、静岡、茨城、福岡、埼玉、秋田、福島の被災地の災害ボランティアセンターのIT支援、2024年は被災直後から石川の災害対策本部に入り、自衛隊との連携システムを開発。
■ナビゲーター
井ノ上 美和
■主催
BPIA (ビジネスプロフェッショナルインキュベーション協議会)
■共催
ITmedia エグゼクティブ
Comments