『明日からはじめるDX』
講師:
株式会社Kaizen Platform 代表取締役
須藤 憲司 氏
【レポート】
こんにちは。BPIA/デジタルトランスフォーメーション研究会ナビゲータ―の石田です。今回は2月24日にオンラインで開催された、第11期デジタルトランスフォーメーション研究会の第1回研究会「明日からできるDX」についてレポートします。
前期第10期のDX研究会は「Eコマース」をテーマに開催してきました。今期第11期の研究会は「DX組織づくり」を軸にゲスト講師からお話を伺っていきたいと考えています。今回、今期第一回目の講師は株式会社Kaizen Platformの代表取締役である須藤憲司氏です。須藤さんは実は研究会の登壇は2回目。まだ研究会が「WEBビジネス研究会」という名称だった時代に、汐留のPwCさんをお借りした研究会でお話いただきました。そして私の中学高校時代の同級生でもあります。(何気に大学も一緒)
須藤さんの前職はリクルート社。須藤さんが入社した2000代前半当時、リクルート社の売上においてデジタルが占める割合は25%程度でした。それが現在のリクルート社ではほとんどの売上がデジタルになっていると言います。リクルート社から独立し創業したのがKaizen Platform社であり、現在は大企業を中心にDX化のサポートをされています。研究会では「DXは何が難しいのか」「できるDXとは何なのか」についてお話いただきました。
わかりやすいひとつのDX事例として須藤さんが挙げてくれたのは音楽業界のDXについてです。一昨年の2020年。一枚もCDアルバムを出していないグループが紅白歌合戦に出場しました。「YOASOBI」です。これまでCDの売上が選出基準のメインになっていた紅白歌合戦に「ストリーミング」という選定基準が加わった年になりました。2021年の紅白歌合戦では、さらにストリーミングで聞かれているアーティストの比率が高まっています。
2007年に登場したボーカロイド「初音ミク」を知らない方はいないと思います。現在の音楽シーンでは、歌を歌えなくてもアーティストになれます。そして楽曲が引けなくてもアーティストになれます。いまではデジタルの力でアーティストになることができる時代になりました。音楽業界はこれほどDXしてしまったわけです。これまでの既得権益がアッという間に移動していってしまったわけですが・・。
このようにDXとは「オペレーションが変わる」ことではありません。Zoomを導入するとか、Boxを導入するといったことはDXではないわけです。DXとは「生き方そのものが変わる」といっても過言ではないと須藤さんは言います。ちょうど音楽業界が変わってしまったように、です。DXとは自社の業務が単にデジタル化することではありません。大切なのはDXによって「新たなビジネス(もっと言えば稼ぎ)」を想像することが大切です。
研究会で須藤さんが挙げてくれたのはウォールマートの事例です。ウォールマートはコロナ禍において売上を80%伸ばしました。いま元々デジタルのサービスがオフラインに乗り出すのではなく、オフラインのサービスがDXによって殴り込みをかけるといった事例が生まれ始めています。ナイキやディズニーに代表される、「ロイヤルカスタマー」へのアプローチです。
すぐにできるDXとして須藤さんが紹介してくれたのが「動画」の活用でした。昨今のユーザーの導線として「動画を経由して商品・サービスを利用する」傾向が高まっています。BtoCだけではなく、BtoBでもです。YoutubeなどSNS内での商品・サービスの検索も増えています。なんと就職活動においても、Youtubeで社名を検索する学生が増えているというのです。ここは目からウロコでした。
さて次回のDX研究会は4月の開催になります。皆さんまた研究会でお会いしましょう。
【開催概要】
タイトル | 明日からはじめるDX |
日時 | 2022年2月24日(木) 17:20〜 アクセス可 17:30-19:00 講演及び質疑応答 |
講師 | 須藤 憲司 氏 (株式会社Kaizen Platform 代表取締役) |
開催方法 | Zoom ※ご参加者様へは別途開催情報をお知らせいたします。 |
対象 | BPIA会員、会員ご紹介者 ※ BPIAご入会に関心をお持ちの方歓迎します! |
こんにちは。BPIA/DX研究会ナビゲーターの石田です。
今回が今期の初開催となるDX研究会。今期のテーマを「DX 組織づくり」に設定しました。
第一回目のゲスト講師は【株式会社Kaizen Platform代表取締役 須藤憲司氏】です。
須藤氏は株式会社Kaizen Platformを経営するとともに「DX入門」「総務部DX課 岬ましろ」といった書籍も執筆されています。
ぜひご参加くださいませ!
【講演内容】
これからの経営の重要なキーワードとなっているDX(デジタルトランスフォーメーション)。
ところが、自分たちの事業には縁遠い/小さな会社には関係がない/デジタルがわかる人材がいないなどの理由で、中小中堅企業のDXはなかなか浸透していません。
一方で、すぐにできる「小さなデジタル化」によってDXを実現させている企業も次々に現れています。そんな「すぐにできるDX」をご紹介します。
◎講師プロフィール
須藤 憲司(すどう けんじ)氏
株式会社Kaizen Platform 代表取締役
2003年に早稲田大学を卒業後、リクルートに入社。同社のマーケティング部門、新規事業開発部門を経て、リクルートマーケティングパートナーズ執行役員として活躍。
その後、2013年にKaizen Platformを米国で創業。現在は日米2拠点で事業を展開。
企業の顧客体験DXを支援する「UX」「動画」「DX」の3つのソリューションを提供。
著書:「ハック思考〜最短最速で世界が変わる方法論〜」 (NewsPicks Book)、「90日で成果をだす DX(デジタルトランスフォーメーション)入門」(日本経済新聞出版社)
■ナビゲーター
石田 麻琴(株式会社ECマーケティング人財育成 代表取締役)
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