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第1回研究会要約「プロセスを無視したマネジメントを止めましょう」
(ナビゲータ:東レ経営研究所取締役 渕野 富士男♪)

もっと面白くできないか?
―― 面白サイクルをぐるぐる回して、プロジェクトマネージャーの
「生きがい、働きがい、やりがい」を高める
面白工学研究会

<第1回 研究会 要約>

日 時: 2008年1月24日(木) 18:30〜20:30
会 場: コクヨ霞ヶ関ライブオフィス
ナビゲーター: 渕野 富士男♪  株式会社東レ経営研究所取締役
会場風景

趣味は人生を面白くする方法のひとつ

 人生を面白くする方法、「面白上手」のひとつは趣味があります。
私の趣味は3つあります。
1番目は、富士山そのものです。富士山は私にとって人生の師であり、最愛の恋人です。それほど富士山が大好きで、富士山オタクなのです。 私には「富士山のような男になりたい」という大きな夢があります。だから私のペンネームは「富士男♪」といいます。本名は康一。親からもらった名前は大事にしながら、自分の夢を名前にしてしまう。これが「面白ネーム」です。
女性同様、富士山は遠くから眺めているのがいい。決して近づき過ぎてはいけません!? 富士山との関係もほどほどの距離を保つ。富士山は眺める山です。
2番目はジャズピアノ。40歳から我流で始めました。今は57歳です。40歳の時、富士山の見える丘に念願の一戸建てを買いました。毎朝富士山に「おはよう」と挨拶しながら、新幹線通勤をしていました。娘が昔使っていたピアノがあり、文部唱歌のチューリップの曲から始め、好きな懐メロを楽しみながら週末に独学で練習しました。
ジャズの面白さは、まさに創造です。クラシック風に言えば変奏曲、自分流に主題・テーマを3、4回アレンジしていく。そのときの気分で即興演奏をしていくわけです。今はジャズトリオに挑戦しています。ピアノ、ベース、ドラムスに喩えられるそれぞれ専門を持つ3人が集まれば、すごく心地良い創造的なチーム、「面白トリオチーム」ができます。趣味が仕事にも応用できるのです。
3番目は銭湯・温泉です。私が行きたい銭湯に必要な3つの条件は、天然温泉、露天風呂がある、富士山のペンキ絵があること、です。都内でこの3つが揃っているのが浅草の「蛇骨湯」です。雄大な富士山が男湯と女湯をまたがっています。富士山が半分しか見えず、女湯側から見ることは、私の夢の一つです!?
人生を面白くするためには、30歳ぐらいから準備を始めたほうがいい。60歳定年以降、趣味を始めてもきついです。

そもそも「面白い」とは?

 私は人生も仕事も家族も何もかも面白くしたいと思っています。つまらないより面白いがずっといい!なぜ、私が「面白い」ことに興味を持ち出したか。
まず「面白い」の反対は通常、”つまらない”、”退屈”、”ありきたり”、”平凡”などです。また面白いの反対に“面黒い”という言葉もあり、辞典にもちゃんと出ています。
次に何故、「面白」と書くのでしょうか。これは当て字ではありません。この言葉に面白さの本質があります。語源は色々あり、1つは「面白」顔の目の前がはっと明るくなる。2つ目は「思著」、インパクトがあるということ、心に強く感じること。3つ目「面知」は顔なじみ、気を遣わなくて良い、つまり平等・連帯、4つ目は「思領外」は意外性です。語源を知っているということも一つの面白ネタになります。
なお、“面白い”と”楽しい”は微妙にニュアンスが違います。楽しいは楽をしていると誤解されます。楽で面白いということはそんなにありません。手を抜いたら面白くなるかというと違います。面白いは英語でExciting が一番適しています。

 20年前に明治大学の根本孝先生の『新人類VS管理者』という本と出会いました。人生は出会いと別れの連続です。根本さんは私の「面白師匠」の一人です。
その本の中で、根本さんはお祭り、イベントに喩えて、面白さの構成要素(面白要素)を学者らしく分析されていました。面白さを、次の5つの要素に当てはめると納得します (テキスト 「部下の心を動かすリーダーシップ3」 p42 参照)
(1) 意義、(2)没入、(3) 創造、 (4)非日常、(5)連帯、

「面白さ」の構成要素= 「面白要素」

「面白主義」のきっかけと実践

 課長になる前ですが、私が参加した全社プロジェクトが失敗し、全く評価されず東レをダメにしたとまで言われました。私は落ち込んでいました。どん底状態から何とか脱出したいともがいていた時に、根本先生の面白本や支援してくれる先輩や上司に出会い、なんとか立ち直りました。どうせやるなら面白くしようと思いました。それが「面白主義」のきっかけです。前述の5つの面白要素に、私の経験上、足りないものを感じ、自らやっているという主体性(自発性)と、面白がるという感受性という要素を加えました。
この5つの面白要素を課長時代に職場のマネジメントに実践しました。役割、存在意義を明示し、やっている仕事の意味をわかってもらうようにしました。1984年に担当していたプロジェクトの時は、円卓のテーブルでフリーアドレスにしました。心理的、物理的なオフィス環境は大事です。創造・挑戦としては職場コンテストをしました。良い企画書には面白ポストイットを貼り、3つ集めたら賞品をあげるということをしました。自腹でしたので賞品はささやかでしたが、図書券の商品は一番好評でした。一課長でもできることはあるのです。一般職の人を出張に行かせると活性化になりますし、カジュアルデーは「非日常」になります。部下の話をしっかり聴き、存在価値を認めることも大事です。存在価値を認め、高める言動を”ストローク”といいます。反対に軽視する、無視することを“ディスカウント”と言います。ストロークはお母さんが赤ちゃんを抱いて愛撫している姿が原形です。大人になると他人に触ることが制約されるので、精神的ストロークを欲します。例えば、褒めるとか「ありがとう!」に一言です。この一言でコミュニケーションが良くなります。心の対話・交流ができます。

「面白主義」の実践こそ、この研究会の目標

 この研究会のゴール・目標は面白さのヒントを得て、実践に結び付けることです。

 プロセスを面白くすることでいい知恵(成果)を得るのが、”面白主義”、“面白志向”です。成果も大事ですが、「プロセスを無視したマネジメントを止めましょう」と声を大にしています。「面白主義」を実践する「面白リーダー」を増やすのが私の夢です。ぜひ皆さんも「面白リーダー」になっていただきたい。成果主義でプロセスを無視するリーダーは”面黒リーダー”です。
今は「知恵」が勝負の時代で、面白くすることで「知恵」が出てきます。人生も仕事も何もかも面白くしたいと決意して下さい。次に、何か面白いことが無いかと探すことが大事です。更に大事なことは、今やっていることをもっと面白くすることです。これは「知恵」の勝負です。面白くないことを面白くすることは容易ではない。働きがいや生きがい、夢の実現、この目的を研究会で共感・共有したいと思っています。

 「やりがい」は仕事で個人単位、「働きがい」は会社で組織単位だと私は思います。英語で「働きがいのある会社」は“Great Place to Work”。仕事のやりがい、面白さはJoy of Work、個人の感じることです。働きがいのある職場、会社は、他者や組織との関わりあいの中で感じるものです。上司との信頼関係や会社への誇り、仲間との連帯感がないと「働きがい」という広がりがでてこないのです。やりがいだけに頼ると、やる気は日替わりで不安定なものです。これから会社は安定した「働きがい」を追求すれば、モチベーションが持続する安定した会社が出来ます。今、「働きがいのある会社」を勧めています。

次回研究会までの「宿題」

 たとえば、面白い発想をとりいれた社内プロジェクト、また、店頭でみつけた面白い商品や、家庭での話題でも結構です。できれば、現物や写真など、ビジュアル的要素があればなお良いと思います。

<蛇足>
次回から研究会を早めに切り上げ、虎ノ門あたりの安い居酒屋で「面白2次会交流」をしたいと企んでいます。(会費3千円)
面白富士♪