新ビジネスモデル研究会(第5回)
| テーマ: | APE(Application Process Enabler)から BD(Business Designer)へ |
|---|---|
| 講 師: | 渥美 懋 (株式会社ビジネスモデル 代表取締役) |
| 日 時: | 2008年3月25日(金)18:15〜20:15 |
| 場 所: | アーク情報システム(市ヶ谷)AKビル2階「大会議室」 |
渥美懋(あつみ・つとむ)会員 紹介
| 2006-2003 | (株)フューチャーシステムコンサルティング戦略担当 常務執行役員 |
| 2003-2000 | (株)ビジネスモデル 創業・CEO(現在に至る) |
| 2000-1995 | 日本IBM e-BIZer、ECOM委員、ERPフォーラム、金融コンダクター等を歴任 |
| 1995-1989 | US IBM本社 Worldwide projectにて Strategy、Solution 部門でGlobal Support |
| 1989-1980 | 金融から製造まで幅広い業種にまたがって全国サポート(コンサル業務の嚆矢) |
| 1970-1980 | 大学卒業後(マネジメントインフォメーション専攻) 日本IBMに入社し多くのオンラインPJに参画 |
1 自己紹介、会社紹介
私は以前、IBMでコンサルタントだった。当時、世界各国のコンサルタントが集まって、14業種のシステム形態、業務形態を分析し、今後どうなっていくのかを検討するプロジェクトに参加したことがある。その後、eラーニングの黎明期のいくつかのプロジェクトや、マルチメディアの設計、コンビニにATMを設置するプロジェクトといったことに携わってきた。様々なプロジェクトを経験し、顧客も入ったオープンコンソーシアムを行うことの重要性を認識した。顧客の課題を認識し、実際に改善策を実施し、結果を出すことの魅力に魅せられている。
2 バーチャルネットワークコンサルティングとは
バーチャルネットワークコンサルティングとは、お客様の求めるものを考え、それを世界中に分散する様々な英知を使って解決する活動である。例えば、以前、名古屋の店舗をバーチャルネットワークコンサルティングで設計した。その際、店舗デザインは、当時著名だったマンハッタンの会社にしてもらった(図1)。
3 APE(Application Process Enabler)とは
APEとはプロセスシェアリングをしたいという着想を実現したものである(図2)。
まず、様々な立場の人の目から見た課題を明確にして処方せんを作る。すると課題があるところが浮かび上がってくる。
BPRを全体を見渡しながら取り組むことは現実的には困難なので、全体最適になるように考えながらも実際は意識の高い部分から手をつけることになると思われる。そして、課題があるところをフローチャート化し、誰がいつ何をやっているのかを明確にする。それをあらかじめ作成してあるベストプラクティスと比較し、どこが違うのかを明らかにする。ベストプラクティスのフローは様々なERPのフローを調査し、各業種のプロセスを抽出して作成されたものである。
4 APEからBD(Business Designer)へ
APEで改善すべき課題が明らかになったら実際に改善策を検討する必要がある。
どういった改善策をとるか検討する際、トップマネジメントとビジネスピープルとシステムピープルとビジネスパートナーというそれぞれ視点が異なる人々の間の共通言語が必要になる。そのために作成したのがBD(ビジネスデザイナー)というツールである(図3)。
そして、BDは作成した改善策の効果をスピード、コスト、スキル、リスク、サービスレベルという指標で示すことが可能である。分析結果をビジュアルに見せることで特にトップマネジメント層に訴求できる(図4)。
具体的にBDでは、誰に何を売るかをサービスグリッドで定義し、どう売るかをマーケティングマップで描き、プロセスをプロセスエディタで描き、最終的にはBPELで出力する。こうすることでシステムピープルが実装できるようになる(図5)。
BPELはまだまだ標準として確立しつつある状況だが、現状でも私が使いたい内容では十分固まっているし使えると思っている。またBDでは実行状況をモニタリング、シミュレーションすることができるのでPDCAサイクルを回せるようになる(図6)。
以前、銀行で住宅ローンを申し込んだ人に対するコールセンター業務を見える化を実装まで行ったことがある。
図7、図8がその画面である。
図7
図8
5 ビジネスデザイナーのデモ
自治体の業務分析をやったときのデモを紹介する。日本の自治体は縦割りで効率が悪いといわれている。また紙が多いという特徴がある。これを電子化し効率化することでコストダウンが可能と考えられる。
ここでは「市税の収納の効率化」に着目したとする。
まず、サービスグリッドの横軸に処理項目を書く。そして縦軸に、コストダウンか収益向上かなどを記入する。各処理項目はさらに細かい項目に分割することができる。マーケティングマップで現状と改善案を記入する。そしてマーケティングマップでフローの変更を行う。例えばある業務を他の部門に持っていくとどうなるかといったことが検討できる。その結果をグラフで表示できる。全体に短縮されているが、それは、不要なタスクがなくなり、かつ個々のタスクが短縮化されたことによりもたらされている。またデータを共有することができるため、情報のやり取りの時間がかなり短縮される。
現在はコンピュータが中途半端に入っているのでかえってやり取りのコストが上がっているように感じているが、本来はコンピュータを導入することでやり取りが自動化されるはずである。
6 まとめ
今回はAPEによる課題発見プロセスとBDによる課題解決プロセスについて説明した。またBDの持つ様々な機能を実例を元に解説した。このツールは汎用的な開発ツールやお絵書きツールとは一線を画しており、「汎用的なビジネス分野で利用可能な実装までつながっているツール」である。これを使って様々な企業の課題が解決されることを望んでいる。
(レポート大浦淳)