江戸時代は殿のため、明治の富国強兵の時代はお国のため、太平洋戦争では天皇陛下のため、戦後は会社のため、日本人はずっと「誰かのため」に働いてきました。生活が豊かになった今、われわれは「自分のため」に働くライフスタイル、ワークスタイルに切り替えてもよい時代になったのではないでしょうか? どうしてアメリカの会社は夕方になるとほとんどいなくなるのでしょうか? ヨーロッパの人たちは長いバケーションがとれるのでしょうか。 情報化時代の今、働く場所はどこでもよいはずですが、そう簡単ではありません。ワークライフ・バランスを実現するには「個人の自立」、「会社のサポート」が重要ですが、ワークプレイスのあり方も大切です。国内外の事例研究をベースに、「何がどう変る必要があるのか」多角的に研究、成果を発信していきたいと考えます。
今年(2008年度)は、2004年1月からスタートした過去3年間にわたる研究会の集大成を行います。報告書『日本におけるワーク・ライフバランスの考察と提言』は、2007年12月に完成予定。
なお、先のBPIA公開講演会(2007年11月9日)での提言は次の通り。
「ワーク・ライフバランスをベースとした日本の活性化と進むべき道 − 5つの提言 − 」
( 以下は5つの提言を抜粋)
- 世の中の変化に即したビジネスモデルの転換
■真に豊かな会社(&社会)とは何かの追求
- 短期的な数値にとらわれないビジョンの設定と施策の具体化
- 右肩上がりだけを前提とした経営姿勢の転換
- 規模から質への転換
- 従業員満足度の向上施策の実践
■付加価値の高いビジネスの追求
- 独自性のあるビジネスモデル、コアビジネスの確立
- 効率にとらわれない独創的な価値の見出し
- 成果主義と評価制度(人事管理制度)の見直し
■納得性の高い成果指標および評価指標の導入
- 客観性の高い判定プロセスの導入および実践教育
- ワークスタイル等にとらわれない成果の判断基準
- 管理者教育の徹底、コミュニケーション力の強化
■専門性の重視とプロフェッショナルの育成
- 専門職の若手育成と適正評価
- 専門性の高い高齢人材の積極活用
- 業務プロセス、生産プロセスの見直し
■多様性のある働き方に対応したプロセスの導入
- プロセスの切り出しとプロセス間インターフェースの明確化
- ドキュメンテーションの推進
- 個人作業プロセスの品質確保方法の確立
■人員代替を考慮したプロセスと要員の確保
■効率から付加価値創造を重視したプロセスへの転換
- 働きやすい職場/ワークスタイルの模索
■オフィスの集中と分散の調和
- 通勤時間の緩和抑制、最適な場所での作業:効率とリスクを考慮したワークプレイスの構築
■画一的で効率のみを追求したオフィスからの脱却
■創造性を発揮できる場、仕事をしやすい場の提供
■ストレス・レス(仕事のしかたの工夫、真の効率化)への配慮
⇒ メンタルヘルス等への配慮
- ITの活用
■ITをビジネスモデルとプロセス革新の基盤として活用
■オーバースペックでない使いやすいシステム
■セキュリティ確保、内部統制との調和
- セキュアな環境の安価で容易な構築
- 実態に即した内部統制の実施
小田 毘古 ワークプレイス・リサーチ・センタ 代表