1955年に始まった一般企業、行政機関などのコンピュータ利用はその後、飛躍的な発展を遂げました。現在では、1社当たり数千台のサーバーと数万台のクライアント機を擁する大手企業は決して珍しくありません。
一方で課題も多々目立つようになってきました。今なお20年前以上前に構築されたメインフレーム上の情報システムが稼働していることが、その一つ。これ自体が悪いわけではありませんが、そこにクライアント/サーバー型、Webコンピューティング型、最近ではSaaS型が混在。維持管理/運用だけでシステム投資費用の7割を占めるといわれる状況が生まれています。
システム構築も同様です。システムに要求される機能/非機能が飛躍的に高度化しているにも関わらず、開発段階ではベンダー依存が強まり、ベンダーは業務実態を熟知しないままに構築。開発遅れや予算超過、稼働後のトラブルが頻出する要因になっています。
それでも活用できれば問題はないのですが、多くの現場ではシステム連携を人手でこなし、またデータ連携も十分にできないため、必要な情報を即座に入手するのは、多くの場合、夢のまた夢、という状況です。
なぜこんな状況なのか−−。答えは一様ではありませんが、ビジネスの変化が著しく速まり、人(社員)と組織(企業)の関係が変わり、ITも劇的に進化する中で、システムを取り巻くアーキテクチャ、開発手法、活用方法を変えてこなかった点=ミスマッチにあるのではないでしょうか。
「時代が20世紀から21世紀へと変わった今、企業情報システムも変わる必要がある。では、どんな風に?」−−こんな問題意識のもと,2008年5月にスタートした21世紀システム研究会は、ナビゲータの1人である山田氏が提唱する「フレームモデル」と「情報の海」(下図)をバックボーンとして、@情報システムのあり方、A情報システムの使い方に関する議論を深めてきました。
研究会は1〜2ヵ月に1回の頻度で開催。2008年中は「情報の海」という概念の共有化と、企業情報システムにおいて「情報の海」的なデータベースの必要性を議論しました。生データや定量情報、定性情報などを、一貫性およびリアルタイム性を保って蓄積・活用可能にするための、10箇条もまとめています。
2009年に入ってからは、情報システムの使い方に関する議論に移行。その前提条件として、社会条件や企業のあり方、そこで働く個人の行動様式などを幅広く議論してきています。それが21世紀型情報システムの存在意義、あり方に対して影響すると考えたからです。2010年秋中にはこの議論も、同様に10箇条の形でまとめる計画です。

