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NTTの宮津純一郎前社長(現取締役相談役)の「卒業論文」である。宮津社長がNTTで幹部・経営者と活躍した25年間を振り返っている。一人の経営者の思想を軸にNTTの変遷がつづられているので、NTTがどこから来てどこへ向かおうとしているかが理解しやすい。技術的な説明や用語、システムについては時に「電電語」が出てくるので、やや読みづらいところもないわけではないが、NTT関連のこの種の出版物の中では外部の読み手も意識して極力、そうした部分は工夫が凝らされているようだ。 帯に「光ブロードバンド時代をめざして」とあるように、NTTの目指す方向は明確である。本書もこれを説明するために、1978年以来のデジタル化の歩みを、それを推進した当事者の意図や苦労を含めて記述される。ちょうど同じ時期、NTTを取材してきた書評子としても、内部の意図が明白になっているので興味深い。特にアナログからデジタルへの転換でサービス内容を大きく変えてきたスピードの速さには、今さらながら驚かされる。インターネットに進出するスタートラインになったOCNサービス開始から、まだ10年も経っていない。 「どこへ行くのか」については、かなり難解な部分が含まれている。量子論の世界を思わせる「レゾナント」という新しいビジョンだ。 「個倍化」「WEB的連鎖」という2つの環によって将来の社会の変化をとらえ、この2つの環を基盤にして「レゾナントコミュニケーション環境」を実現する、という。昨年秋、和田新社長が向こう5年間のブロードバンドビジョン=「光新世代ビジョン」として発表した中身だが、「新しい経営陣が私の意を汲んで」まとめたものだ、とされている。 映像をふんだんに活用できるブロードバンドネットワークによって社会生活をする個人個人の能力がエンパワーされ(個人の能力を数倍に高める=個倍化)、ビジネスの現場では製造、販売、商品開発、保守・サポートなどの作業がWEB的連鎖で効果的に進展する(WEB的連鎖=具体的にはWEBサービスのようなものか)。レゾナントは「共鳴する」「共振する」「響きあう」という意味だが、それぞれの社会の部分同士がブロードバンドのよって緊密に結び付けられ、相互に影響を及ぼしあいながら進展する、というイメージのようだ。併せて、ブロードバンド技術・ブロードバンドインフラも、社会生活の変容と相互作用しながら発展してゆく、という意味も持たせているようだ。 このレゾナントを理解しないと、次のNTTは理解できないか。そうだとすれば、NTTの今後は、かなり手ごわいものになりそうだ。
イラク戦争が終わって少し、国内のできごとに目を移しましょう。いろいろ起きているようです。 ■ マルエツ、NTTデータなど、ICタグ利用実験 (日経産業新聞 03/04/25) マルエツ、丸紅、NTTデータは共同で9月からICチップを搭載したタグを食品流通分野で利用実験する。食品や日用品の一個ずつにICタグを貼り付け、消費者の手に渡るまでの追跡情報を収集・管理するシステムを検証する。マルエツの店舗や丸紅系の卸が取り扱う食品や日用品を実験対象にする。NTTデータは情報センターを運営、ICタグを使って集めた情報を管理する。技術や費用の面でシステムの可能性を探り、実用化を目指す。 ▼ BPIAマガジン編集長の目 この記事は日経産業新聞のような専門紙の読者には不満ですね。ICチップ、無線タグも最近は、いろいろなものが出回っている。ミューチップ、オートID、TRONチップなどもあれば、もしかすると新顔のICタグかもしれない。その決定がまだなのか、あるいは、すでに決定しているのか。未決定と言うことは考え難いが、それでも未定という可能性が全くないわけではないので、どうなのか気になる。費用の面でどの程度かかるのかも、仮説や想定があれば、それも記述して欲しい。これも粘り強い取材で得られることもあるデータだ。とはいえ、トレイサビリティ・システムの可能性を探る重要な実験だ。今後の経過についても、ぜひトレイスして欲しい。 ■ 東京コンサルティング、日経産業新聞、企業の情報システム格付け (日経産業新聞 03/04/22) 東京コンサルティング(本社東京、石堂一成社長)と日経産業新聞は共同で、企業の情報システムを対象にした「格付け調査」をまとめた。有効回答353社のうち最上位のAAAを獲得したのはアサヒビール、花王、キヤノン、リコー、ロームなど65社。情報化戦略を経営改革の一環に位置づけている点などが評価された。 ▼ BPIAマガジン編集長の目 情報システムは企業経営にどのように役立っているか。本当に役立っているのか。役立つような仕組みになっているのか。経営者にとっては猜疑の的である。CIOにとってもどのように説明すれば良いのか、これは悩みの種である。その格付けを行うというのが、この情報システム格付けの狙いである。手法は「AAA」と呼ぶオリジナルなもの。アチーブメント(システム活用効果)、アーキテクチュア(システム構造)、アプローチ(システム化推進体制・プロセス)の3つの観点から測定する。「アチーブメント」は商品・サービスの質の向上、顧客満足度、コスト削減効果など業績寄与度を重視。「アーキテクチュア」は業務改革など環境変化に対応できるシステムの柔軟性、ERPなどの導入状況などに注目。さらに「アプローチ」では経営陣の関与やシステム部門の体制、費用対効果を上げる開発手法の確立などを評価する。同社のホームページにはこの測定手法の簡易版診断のサービスがあるそうなので、確かめてみると良い。実は、このサービスのアンケート作りには、当メルマガ編集長も協力した。ITガバナンスを考える材料にもなる。 ■ 個人の株売買、3月、ネット取引8割 (日経新聞 03/05/03) 株式市場でインターネットを使い頻繁に売買する投資家の存在感が増している。3月は代金ベースで個人投資家の取引の8割をネット取引が占めた。相場の低迷が長引く中で、機関投資家や長期投資をする個人投資家が売買を手控えがちなこともネット投資家の比重を高めており、株価形成にも影響が現れている。2003年3月は、個人全体の売買高3兆1千億円に対してネット経由は2兆4千6百億円だった。 ▼ BPIAマガジン編集長の目 個人の株式取引はいずれネットが主流になるだろうと予想していたが、こんなに早く80%にも達するとは思わなかった。手数料の安い、このネット取引利用者は、頻繁に売買を繰り返して、細かい値上がり益を集積して儲けを増やそうという志向が強い。勢い、低位株や中小型株に取引が集中しやすくなる。米国のネットバブルの時期には、一日に数百回もの売買を行うデイトレーダーが大量に発生し、右肩上がりの上昇局面で巨万の富を得る若者が話題を呼んだ。しかし、バブルがはじけた後、彼らはどうなったろうか。日本のネット取引の普及期はバブル崩壊後なので、ギャンブラーのような極端なデイトレーダーは登場しなくて済むと思うが、果たしてどうだろうか。ネット取引は必然の動きだが、投機やギャンブル目的の利用者でないことを願う。
■ ビトリア・テクノロジー、BusinessWare 4のエントリーモデルをリリース ビトリア・テクノロジー株式会社が4月30日(水)、システム統合の必要性は実感しているものの、EAI/BPM製品は費用が高くて導入できないといった市場の要求に応え、次世代ビジネス統合プラットフォームBusinessWareR4のエントリーモデルをリリースしたことを発表した。 <<詳細情報>> http://www.vitria.co.jp ■ アクシスソフト、役員人事を変更 アクシスソフト株式会社は、4月23日(水)より、下記の通り役員人事を変更した。 代表取締役会長 CEO 大塚裕章(旧 代表取締役社長) 代表取締役社長 COO 登坂忍(旧 取締役) 取締役副社長 CSO 片貝孝夫(旧 取締役) <<企業情報>> http://www.axissoft.co.jp ■ NECソフト、役員の異動に関して NECソフトは、6月19日(木)付けで役員人事を下記の通り変更する。 昇格:代表取締役専務 木元耕毅(旧職:取締役常務) 新任:取締役常務 栗山幸造 新任:取締役 中村勉 新任:監査役 弓庭俊昭 退任:代表取締役専務 小又富士夫 退任:監査役 大桑邦夫 <<詳細情報>> http://www.necsoft.co.jp/press/2003/0423b/index.html
■ BPIA後援セミナー開催(2003/5/20) 「システム間連携とビジネスプロセスの変革で創造する戦略的企業」 BPIAでは、日経BP主催の表記セミナーを後援することになりました。当日はBPIA EAI研究会ナビゲータの濱田隆一郎氏(IBMビジネスコンサルティングサービス株式会社パートナー)が、「プロセスのコンポーネント化で実現する戦略的企業」をテーマに講演する予定です。 日時:5/20日(火) 12:30-17:30(予定) ■ 研究会活動 EAI研究会(2003/5/21)...など 第31回 eビジネス時代のビジネスモデル評価法開発研究会 テーマ:「ビジネスモデル評価法アプローチまとめ案の討議」 日時:5/14日(水) 18:30-20:30 会場:IBMビジネスコンサルティングサービス株式会社 丸の内ビルディング18F 第4回 EAI研究会 日時:5/21日(水) 15:00-17:00 会場:IBMビジネスコンサルティング サービス株式会社 第8回 オフィスワーク生産性研究会 ■ 第9回 理事会(2003/5/29) 日時:5/29日(木) 理事会 16:00-18:00 懇親会 18:00-19:30 会場:銀座フェニックスプラザ(紙パルプ会館) 地図:http://www.kamipa-kaikan.co.jp/NewFiles/access.html
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