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BPI事例発表2 |
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●ファシリティマネジメント(FM)とは FMとは、一口でいえば施設を切り口とする経営管理手法です。施設は企業の使用する施設すべてをいいますが、私どもの専門はオフィスの内装ですから、主にオフィスの執務環境、生活環境、情報環境になります。企業は、これまでの拡大経営からいまは効率経営が目指されており、そこで改革を支援するFMが重要となります。 オフィスに着目すると、情報ネットワークがオフィスの激変をもたらしています。たとえばホームオフィス、サテライトオフィス、あるいはセンターオフィスが縮小され、ノンテリトリアルオフィス(日本ではフリーアドレス)、グループ単位でシェアするチームオフィス、あとはアンダーセンさんがやっているようなホテリング、オフィスの機能を予約制にして1坪単位で借りていくというものまであります。 米国経済回復の最大の要因はBPRであり、その裏側には情報通信技術の進展があります。いい意味のリストラクチャンリング、社員のエンパワーメント、顧客満足度及び社員満足度の向上、さらにファシリティのコストダウンを図ることによって、オフィス業務の革新、つまりオフィスの統廃合・縮小、ホワイトカラーの知的能力の発揮、ナレッジマネジメントの流れをつくってきました。 それに対して日本では、アメリカよりも高い人件費、高いオフィスを中核とするファシリティコスト、ホワイトカラーの低い生産性という三重苦にあえいでいます。そのなかで頑張っているのがプライスウォーターハウス・コンサルタントさんです。ここのファシリティマネジメントのコンセプトは、Office Everywhere(どこでもオフィス)で、恵比寿のガーデンプレイスの本社オフィスは、対人コラボレーションをする以外は来なくていいというコンセプトに則って、私どもがオフィスの設計施工をしております。面積が大幅に削減し、いまは物理的に3人に1人の席数しかない、来年1月からクーパーズさんと合併になって、4人に1人の席数しかないという、おそらく世界一のドラスティックな割合になっています。アメリカでもフリーアドレスの割合は6割、7割となっています。あとは徹底したペーパーレス、情報通信技術によって生産性を倍増されています。もちろん評価制度、人事制度を業務改革でいじっています。このオフィスは日経ニューオフィス賞を二度受賞していますが、仕組みとITとFMの三位一体で生産性が2倍になっています。 ひと、もの、かねに続いて情報が第4の経営資源であるということは認知されたようですが、私どもは第5の経営資源はファシリティだと考えます。ここでいうファシリティは企業のインフラそのものですが、分析してみると、それは人件費に次ぐコストになっています。いまFMを有効に活用した事例が増えていますが、そのうちの1社がコスモ石油株式会社で、これはコスト削減と効率向上に貢献しました。逆数を取れば売上げ増にもなっています。 ●本社オフィス40%削減事例(コスモ石油) コスモ石油さんは、浜松町の東芝ビルの4フロア(3100坪)賃借していたものを2.5フロア(1900坪)に圧縮して、年間6億円の賃借料を軽減しました。私どもは単にスペースを減らして賃借料を軽減するだけではなく、業務にフィットしたレイアウト刷新をしましょうというのでコンサルに入りました。オフィス変革は本来、仕組みと一体化して進める必要がありますが、コスモ石油さんのような大きな会社では1年、2年では結論が出ませんので、オフィススペース半減のためのシミュレーション、情報システムやワークスタイルの分析に入りました。その結論として、私どものコンサル料、設計料、リニューアルの工事費用すべてが単年度でペイするというプロジェクトになりました。 このプロジェクトでは、まず調査活動として、社員の業務内容を10分単位で調べました。そして七つぐらいの大きな業務の中で、トップ3は文書作成、コミュニケーション(電話、Eメール、会議)、資料を読む、でした。結果として在席率が高く、固定席にしました。会議室・応接室の利用率は低かったので半減しました。電子メールが浸透すると、会議数が激減するだけではなく、時間数も半減します。ファイリングは他社ベンチマーク平均の2倍あったので3割ぐらいは減らすことにしました。情報通信インフラは1人1台のノートPCをすでにお持ちでした。 電話は部門代表電話があって、必ず女性が取り次いでいましたが、ボイスメール付きPBXに変更してダイヤルインにしました。これによって女性の電話の取次業務がなくなりました。と同時に、女性の制服を廃止し、お茶くみをやめ、関連子会社のケータリングサービスを受けるようにしました。 ワークスペースは、以前は部長・室長席は窓際で、課員はパーティションゼロで向かい合うという、伝統的な島型対向式でした。これは工場のバックオフィスから始まったものでスペース効率がいいんです。そして官公庁のハイアラーキ組織で、命令一下、右向けといえばみんなが右向くというのにぴったりのレイアウトです。ところが、文書作成、コミュニケーション、資料を読むという業務内容には不向きです。そこでリバースして、ローパーティションをつけて後ろ向きにしました。そして8人に1台、振り返ればすぐコラボレーションができるような多目的テーブルを入れました。部長・室長席は窓面および部下のパーティションに対し横向きに半隔絶のかたちにしました。横向きというのは、一つはPCのグレア防止、もう一つはスペースの削減、これだけで通路が1mゲインできます。 この結果、トータル38%の削減に成功しました。カフェテリアを含めた共有エリア、会議室・応接室などは大幅に削減しましたが、執務室面積は11%、ワークスペースステーション面積は2%しか減らしていません。このことがまさしくオフィスFMの勝利です。 このプロジェクトの推進体制は、総務部を中心に人事部、情報企画室と経営企画室を巻き込んでいます。私どもが外部コンサルタントとして入って、常務会に対するレポートの大半、コンセプトとねらい、図面は私どもが作成しました。29の部室があって各部に1人、コーディネーターをつくって、一見ボトムアップのように見えますが、実際には全部トップダウンで進めました。 ●経営改革におけるFMの必然性 経営改革においては、徹底したファシリティのリストラを人と情報化に生かすことが大切です。ファシリティコストは削減の宝の山です。ファシリティはいつでも売り買いできますが、人はそう簡単に育ちません。ファシリティのリストラによって、人のリストラを軽減することができます。たとえば従業員2500人、1人当たり売上高9000万円、1人当たり人件費880万円、1人当たり施設運営費220万円という例で、全国の施設運営費を3割減らすということはけっこうできます。そうすると、人のリストラの7.6%、ほぼ190人に相当する。あるいはROEが一気に50%改善されるというデータになります。こんなドラスチックな例は営業の売上げ増では期待できません。 いま日本のオフィスの7割が賃借です。ところが、管理会計的に施設運営費をきちんと把握されている企業は意外と少ないのです。施設運営費としては減価償却費、税金、水道光熱費、運営管理費、清掃費などがありますが、そのうち賃借料は60%を占めるにすぎません。つまり賃借料が2億浮くということは、施設運営費としては3億浮くということになります。 本日の講演のまとめとして、BPIAの主旨とオフィスインフラとしてのプラットフォームがシナジー効果をもたらすものとしてお気付きになられたら幸いです。 企業のインフラストラクチャーとして重要なのは、FMとITとHR(ヒューマンリソース)です。FMでコストを減らすことによって、HRはそれほど減らさず、IT投資に振り向けましょう。IT投資は技術革新によって3年単位で安くなりますから、それを待ちましょうというインフラリソースミックスです。 私ども明豊は情報化オフィスを得意としていて、オフィスづくりと施設コストの削減のためにFM(Facility Management)、PM(Project Management)、CM(Construction Management)を行っていきます。 |